Q1. 御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。
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ポートフォリオ構築を進めていく際、ファンダメンタルアプローチが通常一般的だと思います。しかしながら短中期では「市場は歪みがたがる」習性があるため、歪みの修正を取りに行くファンダメンタルアプローチは厳しい位置にあるといえます。加えて昨今の株式市場では、ファンダメンタルとは関係が薄く、ボラティリティーを高めがちな裁定取引やハイ・フリークエンシー・トレード等が日々の商いの大勢を占めています。
この面からも市場は歪みやすい要素を秘めており、ファンダメンタルアプローチは分が悪くなります。ただその一方、中長期で市場をアウトパフォームするという観点では、低PERあるいは低PBRを軸とした単純なファンダメンタルアプローチによって、かなり高い確率で市場平均を十分に上回る投資が可能だと考えています。これは「物には相場があり」、いつかは、ファンダメンタルからみたあるべき水準に落ち着くからです。したがってこの両者をどう咀嚼していくかが、投資のポイントであると考えています。
投資プロセスとしましては、日々の会社訪問や各種セミナー、あるいは事業会社の方との交流等を通じてボトムアップで情報収集し、整理し、トップダウンで投資シナリオを組み立て、銘柄に落とし込みます。会社訪問はむしろ投資シナリオを組み立てるためのライブラリー収集の側面の方が強いといえます。またその投資シナリオは誤っている可能性もあるため、誤っている場合、代替シナリオを予想し、さらにそのシナリオが誤っていた場合の代替シナリオ、その次の代替シナリオ、、、、、と予想できうる限りのシナリオヘッジをしていき、どのシナリオでも一定の効果を期待できるバーベル型ポートフォリオの構築を目指しています。
Q2. 今どこに投資機会を見出していらっしゃいますか。なぜ日本株式超小型に魅力があると考えていらっしゃいますか。
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注目していますのは、時価総額でいうと100億円以下の超小型株です。この時価総額では一般的にアナリストは推奨をやめ、運用機関も投資対象からはずす傾向にあります。これが負のスパイラルとなります。また、ここ数年毎年のようにやってきた危機とも相まって、超小型株はバリュエーションを無視して売られ続けました。一方で中小型株は成長神話のもと、中小型株ファンドの大型化によって、また大型株ファンドのパフォーマンス向上の道具として、割高に買われています。超小型株に投資することで、低すぎるバリュエーションの是正に加え、時価総額上昇で超小型株から中小型株の範疇になることにより高バリュエーションすなわち更なる価格上昇をも享受できようと考えています。
この話をしますと、投資家の皆様方から「安いのはいいとしても、そんな見放された株がいつ上がるの?」と反論されることあがります。その際には、「上がらなくても構いません」と答えています。アベノミクス前は、どん底の利益水準にもかかわらずPER5倍程度の超小型株が数百社ありました。経済が低成長ながらも巡航速度に戻るなら、年2割程度の増益を3年程度続けることが可能な企業は少なくないと思います。一方で株主構成が事業法人・金融機関から、個人・海外投資家に移行する過程で配当に対する認識が高まってきており、低かった配当性向も改善傾向を示していくと思われます。仮にPER3倍の株の配当性向が3割とすると、その企業の配当利回りは税前で10%になります。配当利回りが10%あれば株価が上昇しなくても十分な収益が得られますし、逆に配当利回りで10%取れるなら、株価も後からついてくると見られます。
また2年前は日本株全体には下への重力が働いていました。現在は大型株や中小型株が大きく上昇していることで、超小型株には上への引力が働いていると考えています。
Q3. なぜこの業界で働こうと思われたのでしょうか。
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Q4. ポートフォリオ・マネジャーとしての信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか。
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Q5. どのようにお客様の資産保全を図るかお聞かせください。
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Q6. 投資に関するお奨めの書籍を1冊ご紹介頂けますでしょうか。
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Q7. 主に業務に関する情報収集の為に、毎日チェックされている媒体(新聞・雑誌・webサイト等)を教えてください。
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インタビューは以上になります。
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