Income Partners
Suvir Mukhi氏インタビュー

interviewer:HCアセットマネジメント㈱
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Q1.貴社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。

 Income Partnersは、1993年にアジア債券の運用会社として香港に設立され、以来アジア債券運用を通じてお客様に独立した専門的な投資ソリューションを提供しています。
 私たちの投資哲学は単純です。私たちは、ダウンサイドを管理することはアップサイドを追求するのと同じくらい重要であると考えています。 債券投資においては複利の力が非常に大切で、市場が下落したときに失う金額が少なければ少ないほど、長期的に見れば多くの利益を得ることができます。
 それを可能とするのが、トップダウンとボトムアップの組み合わせによる投資アプローチです。マクロ経済や市場イベント発生時に想定される損失を抑制するためのトップダウンなモニタリングとポートフォリオのリスク管理、リスク対比リターンの魅力度の判断、デフォルト回避のためのボトムアップな個別銘柄の分析を組み合わせたアプローチを行っています。

Q2.今どこに投資機会を見出していらっしゃいますか。なぜ貴社の戦略に魅力があると考えていらっしゃいますか。

Q2.今どこに投資機会を見出していらっしゃいますか。なぜ貴社の戦略に魅力があると考えていらっしゃいますか。
 アジアの投資適格社債市場とハイイールド債市場は、年初来の好調な業績にもかかわらず、依然として魅力的な投資機会を提供し続けています。 FRBのハト派な姿勢やアジアでの利下げは市場への追い風となり、そのような中で、アジア債券市場のバリュエーションのばらつきや活発な発行市場はアルファ獲得の機会を提供してくれると信じています。
 アジアのソブリン債の格付は中期的な上昇基調を維持しており、当社がカバーする企業の平均的な信用力は依然として堅調です。 貿易摩擦は引き続きボラティリティを生むと予想されますが、市場を大きく打ち負かすほどのものではないと考えています。
 我々のリスクアロケーションを調節し、リスク管理にヘッジを用いる手法はこういったマーケットでの運用に適した手法であると考えています。

Q3.なぜこの業界で働こうと思われたのでしょうか。

 大学生のときから今に至るまでずっと、有価証券のバリュエーションとその背景の研究に非常に興味を持ってきましたので、卒業後に最初からリサーチ業務に就けたことは幸運でした。経験を積み重ねていくうち、やがてポートフォリオ管理において責任のあるポジションを任されるようになり、現在では、ロングオンリーとロング/ショートの両方の戦略を管理しています。
 リスクに対して魅力的なリターンを顧客に享受してもらうため、投資への情熱を持ったチームメンバーとともに、魅力的な投資機会を見つけ出すためのボトムアップのクレジット分析、トップダウンによる資産配分やリスク管理を行える理想的なポジションに私はいると思います。

Q4.ポートフォリオ・マネジャーとしての信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか。

 ファンダメンタル分析や他社との比較による相対価値分析など、各投資に対する慎重なデューデリジェンスは、ポートフォリオの構築と管理における前提条件です。 私たちは市場の動向にかかわらず常にこの規律を守るべきであり、その責任を顧客に対して負っていると考えています。
 私たちは、市況やアクティブなリスク管理に基づいて適切な銘柄選択やポートフォリオの配分調整を実行することで、サイクルを通してリスク対比で魅力的なリターンを顧客に提供することを目指しています。

Q5.どのようにお客様の資産保全を図るかお聞かせください。

 クレジット分析、銘柄選択、リスク管理、ポートフォリオのヘッジからカウンターパーティの選択まで、私たちが行っているすべてのことは顧客資産の保護に通じています。 私は、独立した資産運用会社であることが、顧客利益の最大化を常に念頭に置いて意思決定するという点において、非常に役立つと考えています。

Q6.投資に関するお奨めの書籍を1冊ご紹介頂けますでしょうか。(書籍の概要・感想・評価についてご記入下さい。)

Q6.投資に関するお奨めの書籍を1冊ご紹介頂けますでしょうか。(書籍の概要・感想・評価についてご記入下さい。)
 Mastering the Market Cycle: Getting the Odds on Your Side (『市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学』、貫井訳、日本経済新聞出版社)を推薦します。ハワード・マークス氏によって書かれたこの素晴らしい本で、ハワード氏は、いかなる時点でもさまざまな経済や市場のサイクルを認識し、それに合わせてポートフォリオを調整することの重要性を強調しています。
 サイクルの期間、形式、規模を正確に予測するのは困難ですが、入手可能な情報に基づいてポートフォリオのエクスポージャーを管理することは、投資機会を捉えたり、ポートフォリオのリスクを管理する上で確実に役立ちます。

Q7.主に業務に関する情報収集の為に、毎日チェックされている媒体(新聞・雑誌・webサイト等)を教えてください。

 Wall Street Journal、Financial Times、Bloomberg、CNBC、Economist、クレジット市場関連のニュース配信元としてはDebtwireを日常的に目を通しています。





インタビューは以上になります。

企業プロフィール

 Income Partnersは、1993年に香港で設立されたアジア債券の運用会社。オフショアとオンショアの人民元を中心に、米ドルとアジア現地通貨の両方で企業債とソブリン債への投資を行う。 当社はロングオンリー戦略および絶対リターン型戦略の両方において、マネーマーケット、投資適格社債、ハイイールド債およびスペシャルシチュエーションをアクティブに管理し、機関投資家向けにオーダーメイドのソリューションを提供する。
 経験豊富で安定したポートフォリオ管理チームを擁し、チームの平均在職期間は14年、業界歴は18年にわたる。
 地域、グローバルの両方において、強力なリレーション・ネットワークを確立し、リサーチ、デューデリジェンス、案件発掘における優位性を持つ。
 1997年のアジア金融危機、2003年のSARSの蔓延、2008年のグローバル金融危機、2011年の欧州債務危機といった4つの大きなクレジット市場とマクロ経済の不況を経験し、乗り越えた経験を有する。
 チームは独自のフォワードルッキングな分析を利用して、強力なアルファを獲得してきたトラックレコードを有する。ボラティリティの抑制しつつとアップサイド/ダウンサイドを捉えることで、下振れ防止に重点を置いた運用を行う。

戦略

 現在、ロングオンリーと絶対リターン(債券ロング/ショート)の両方のアジア債券戦略を運用する。両戦略とも、投資プロセスは綿密な同社のファンダメンタル分析と相対的な価値評価に基づく。また、両戦略において魅力的な配当の獲得も目指す。
 ロングオンリー戦略は、主に、魅力的なバリュエーションを有し業績の改善が見込める社債に焦点を当てる。トップダウンでマクロ経済を評価し、国・セクター配分、ならびに金利ヘッジ、為替ヘッジを運用へと反映。
 絶対リターン戦略では、(a) 業績が好調/割安な銘柄をロング、業績が不調/割高な銘柄をショート、といったロング/ショートを組み合わせ、(b) 事業再編やコーポレートイベント、M&Aなどのシチュエーションや、(c) ローカル市場の投資機会を捉えます。市場環境に応じてサブ戦略間の配分やリスク特性をアクティブに調整し、デリバティブや、信用リスク、金利、為替ヘッジを利用。
 下振れ防止に重点を置きつつ、値動きを捉えリスク対比で魅力的なリターンを達成することを可能とする。




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