Millennium Global 通貨戦略 公開マネジャ・ミーティング要旨
日時: 2009年2月24日 17時00分-18時30分
場所: HC 5階大会議室
マネジャ: Mark Astley, Chief Executive Officer (Millennium Global Investments Limited)
斎田氏, Representative in Japan (Millennium Global (Japan) Ltd.)
久保井氏, シニアリサーチアナリスト (同上)
HC: 橋本、横山、前田、吉澤、柳井
[会社情報]
ロンドンベースの独立系オルタナティブ運用会社。JP モルガン、ゴールドマン・サックスで為替業務に従事しオーバーレイ戦略のパイオニアの一人であるマイケル・ハットマン氏が1994 年にオーバーレイ戦略を提供する為替専門会社として設立した。現在はシングルストラテジーのヘッジファンド、GTAA、プライベートエクイティの領域まで業務を拡大。運用総額は約1兆円。役職員は8拠点に80名。
[為替戦略情報]
G10通貨を中心とした通貨戦略。一部のエマージング通貨にも投資する。クオンツ型に対し、経済状況の変化に応じて機動的にポジション調整しうるジャッジメンタル型であることが特徴。ジャッジメンタル型で運用するには厳格な規律が必要であり、長年の経験を誇るプロフェッショナルチームを構成し、資産保全を重視して厳格なロスカットルールを適用する。
中短期での投資テーマを見出し、そのテーマに基づいてポジションを構築。日次ベースでポジション調整を行う。
投資テーマは、経済指標などに基づくマクロ経済分析による割高・割安分析の他、テクニカル要因、市場の共通認識の織り込み度合い、センチメント等市場ダイナミクスの分析により探し出す。
VaRによるポートフォリオ全体のリスク管理に加え、RATS(Risk Adjusted Trade Size)という独自のリスク指標によるポジションごとのリスク管理を実施する。オプションも活用する。
[Q&A]
Q1 株式や債券と異なり通貨にはベンチマークが存在しないが、Alpha Generation(付加価値の創出)とは何に対する付加価値なのか。
A1 通貨戦略の場合は基軸通貨のキャッシュリターンに対する付加価値を意味し、オーバーレイの場合にはオーバーレイによって生み出されたリターンそのものを付加価値と捉えている。
Q2 Parker FX indexとは何か。
A2 通貨戦略指数。レバレッジ前のリスク調整後リターンを分析し、運用会社のスキルを横比較可能とした。北米、英国、アイルランド、スイスに所在する45社、63戦略で構成。構成戦略の運用総額は$15.7bn。うち、クオンツ型46社、ジャッジメンタル型20社。生き残りバイアスを排除するため、運用停止した戦略をも含む。
(補足:HC。出所:http://www.parkerglobal.com/fxindex.htm)
Q3 世界的な低金利環境化にあって金利差によるリターンが期待できないがどのように付加価値を生み出すのか。
A3 確かに金利差も重要なファクターだが、市場の方向性を決める要素は変化し続けている。現在、市場では実体経済が注目されており、貿易収支や経常収支などの実体経済を示す指標が注目されていくと考えている。
Q4 株式の配当や企業成長による株価の上昇、債券の利息収入のように通貨には元本に付加価値を加える要素がないため、結果的にゼロサムゲームにならざるを得ないと考えているが、付加価値を創造できると考えている要因は何か。
A4 株式や債券は市場が効率的だと考えている。BISの調査では通貨の市場参加者の80%から90%は旅行者や製造業などの事業会社のような収益目的でない参加者である。ゼロサムゲームか否かというより市場が非効率であるためプロが取引を行えば収益を生み出すことはできるはずと考える。長期的な通貨のリターンの研究によれば通貨戦略のシャープレシオは0.6%-0.8%である。通貨価値は、長期では、インフレが低いほど、また、生産性(特に労働生産性)が高いほど、上昇する。相対的に強くなりうる通貨を選定することは可能。
Q5 日本円の長期的な見通しを教えてほしい。
A5 通貨の変動要因は生産性とインフレである。これはPPP(購買力平価)につながる議論でもある。2007年半ばには日本円は安いと考えていた。直近の円高は、調整期にあるのだと考えている。短期的には反落があると考えるが、長期的にはインフレ率は相対的に低く、生産性は相対的に高いであろうから円高に動くと考えている。
Q6 現状の人口動態から考えると将来的にGDPは落ち、長期的に見ると円安になるのではないかと考えているがどう考えるか。
A6 確かに人口の減少はマイナス要因であるが、それでも、日本は、インフレ懸念は低く、労働生産性は高いので、その観点を考慮しても、円高に動くと考える。
以上
留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。
場所: HC 5階大会議室
マネジャ: Mark Astley, Chief Executive Officer (Millennium Global Investments Limited)
斎田氏, Representative in Japan (Millennium Global (Japan) Ltd.)
久保井氏, シニアリサーチアナリスト (同上)
HC: 橋本、横山、前田、吉澤、柳井
[会社情報]
ロンドンベースの独立系オルタナティブ運用会社。JP モルガン、ゴールドマン・サックスで為替業務に従事しオーバーレイ戦略のパイオニアの一人であるマイケル・ハットマン氏が1994 年にオーバーレイ戦略を提供する為替専門会社として設立した。現在はシングルストラテジーのヘッジファンド、GTAA、プライベートエクイティの領域まで業務を拡大。運用総額は約1兆円。役職員は8拠点に80名。
[為替戦略情報]
G10通貨を中心とした通貨戦略。一部のエマージング通貨にも投資する。クオンツ型に対し、経済状況の変化に応じて機動的にポジション調整しうるジャッジメンタル型であることが特徴。ジャッジメンタル型で運用するには厳格な規律が必要であり、長年の経験を誇るプロフェッショナルチームを構成し、資産保全を重視して厳格なロスカットルールを適用する。
中短期での投資テーマを見出し、そのテーマに基づいてポジションを構築。日次ベースでポジション調整を行う。
投資テーマは、経済指標などに基づくマクロ経済分析による割高・割安分析の他、テクニカル要因、市場の共通認識の織り込み度合い、センチメント等市場ダイナミクスの分析により探し出す。
VaRによるポートフォリオ全体のリスク管理に加え、RATS(Risk Adjusted Trade Size)という独自のリスク指標によるポジションごとのリスク管理を実施する。オプションも活用する。
[Q&A]
Q1 株式や債券と異なり通貨にはベンチマークが存在しないが、Alpha Generation(付加価値の創出)とは何に対する付加価値なのか。
A1 通貨戦略の場合は基軸通貨のキャッシュリターンに対する付加価値を意味し、オーバーレイの場合にはオーバーレイによって生み出されたリターンそのものを付加価値と捉えている。
Q2 Parker FX indexとは何か。
A2 通貨戦略指数。レバレッジ前のリスク調整後リターンを分析し、運用会社のスキルを横比較可能とした。北米、英国、アイルランド、スイスに所在する45社、63戦略で構成。構成戦略の運用総額は$15.7bn。うち、クオンツ型46社、ジャッジメンタル型20社。生き残りバイアスを排除するため、運用停止した戦略をも含む。
(補足:HC。出所:http://www.parkerglobal.com/fxindex.htm)
Q3 世界的な低金利環境化にあって金利差によるリターンが期待できないがどのように付加価値を生み出すのか。
A3 確かに金利差も重要なファクターだが、市場の方向性を決める要素は変化し続けている。現在、市場では実体経済が注目されており、貿易収支や経常収支などの実体経済を示す指標が注目されていくと考えている。
Q4 株式の配当や企業成長による株価の上昇、債券の利息収入のように通貨には元本に付加価値を加える要素がないため、結果的にゼロサムゲームにならざるを得ないと考えているが、付加価値を創造できると考えている要因は何か。
A4 株式や債券は市場が効率的だと考えている。BISの調査では通貨の市場参加者の80%から90%は旅行者や製造業などの事業会社のような収益目的でない参加者である。ゼロサムゲームか否かというより市場が非効率であるためプロが取引を行えば収益を生み出すことはできるはずと考える。長期的な通貨のリターンの研究によれば通貨戦略のシャープレシオは0.6%-0.8%である。通貨価値は、長期では、インフレが低いほど、また、生産性(特に労働生産性)が高いほど、上昇する。相対的に強くなりうる通貨を選定することは可能。
Q5 日本円の長期的な見通しを教えてほしい。
A5 通貨の変動要因は生産性とインフレである。これはPPP(購買力平価)につながる議論でもある。2007年半ばには日本円は安いと考えていた。直近の円高は、調整期にあるのだと考えている。短期的には反落があると考えるが、長期的にはインフレ率は相対的に低く、生産性は相対的に高いであろうから円高に動くと考えている。
Q6 現状の人口動態から考えると将来的にGDPは落ち、長期的に見ると円安になるのではないかと考えているがどう考えるか。
A6 確かに人口の減少はマイナス要因であるが、それでも、日本は、インフレ懸念は低く、労働生産性は高いので、その観点を考慮しても、円高に動くと考える。
以上
留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。
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