4/17開催 HC資産運用セミナーvol016 セミナーレポート

HCセミナー
※当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。

今回のセミナーには、年金基金・金融法人の方々を中心に総勢32名の方々にご参加頂き、誠にありがとうございました。

◆セミナーのまとめ◆

今回は6つのキーワードで、セミナーの内容をまとめてみました。

◆投資の目的は「リターン」を得ることです。
これは自明です。ところで、「リターン」とは「戻ってくる」ことに他なりません。「戻ってくる」とは投資した資金が回収されることです。投資するという入口が問題なのではなくて、「回収」という出口が問題なのです。

◆回収の基本は利息配当金です。
投資元本そのものを回収してしまうのは機関投資家の資産運用においては、あり得ないことです。例えば、企業年金においては、制度が存続する限り資産運用は継続するからであり、資産運用が必要なのは給付原資として利息配当金が必要だからです。

◆定常状態に達した企業年金では、掛金額と利息配当金の合計が給付額に一致します。
仮に4%が予定利率で資産額が1000億円あるならば、一年間に40億円の利息配当金を見込んでいるということです。そのとき給付年額が60億円ならば掛金年額は20億円で足りる、というのが事前積立制度としての企業年金の経済の基本です。

◆利息配当金が同じでも環境が変われば時価は変化します。
利回り5%の10年国債を100億円保有していると、毎年5億円の利息が入ります。いま、金利が低下して3%になったとすると、国債の時価は上昇します。時価が上昇したからといって毎年5億円の利息額は変わりません。環境が変われば時価は変わりますが、資産としての本来的な利息配当金を稼ぎ出すと力は変わりません。

◆本来的な利息配当金を稼ぎ出す力が上昇すれば時価は上昇します。
企業の本来的な収益力が改善し、結果として配当が増えるならば、株価は上昇するでしょう。ビルを改修しテナント政策に工夫をこらせば、テナント料収入は増え、ビル価格は上昇するでしょう。時価の上昇は、目的であるよりも結果です。

◆資産運用の課題は、資産の持つ本来的な利息配当金を稼ぎ出す力を高めることです。
利息配当金を稼ぎ出す力が増せば、結果として、時価は上昇します。資産運用とは、資産の配分を工夫し、また各資産の中での収益性改善努力を通じて、資産から生まれる利息配当金の期待収入額を増やすことです。これが、投資の基本です。基本中の基本です。



次回、2009年 第5回HC資産運用セミナーは『債権運用におけるニッチな投資領域の魅力?債務を意識した運用における金利リスクの管理?』です。皆様のご参加を是非ともお待ちしております!

なお、本セミナーで実施致しました「セミナーテーマに関する意識調査」の結果に関しましては、「HCセミナー・アンケートレポート」にて公表予定です。是非ともご覧下さい。

※当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。