6/18開催 HC資産運用セミナーvol018 セミナーレポート

HCセミナー
※当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。

今回のセミナーには、年金基金・金融法人の方々を中心に総勢39名の方々にご参加頂き、誠にありがとうございました。

◆セミナーのまとめ◆

今回は7つのキーワードで、セミナーの内容をまとめてみました。

◆金融の原点
具体的な使途のない資金の保有者と、具体的使途に対して資金が不足している事業者との間で、資金を融通しあうのが金融の原点です。このような資金需給の媒介が、ビジネスとしての金融サービス業であり、投資も、広義には、その中に属します。

◆時間を借りる
借りる側、資金の調達側は、「今」はお金がなくとも、返す当てが「先」にあるはずです。つまり、この「今」と「先」との間の時間、例えば設備投資が収益化するまでの時間が、問題のはずです。資金を借りるといっても、時間を借りるといっても、同じことです。

◆金利の意味
時間を借りる対価が、金利という調達コスト(資金供与側から見れば投資収益)に他なりません。ですから、金利は必ず時間との関係で規定されています。

◆時間とリスクとキャピタル・ストラクチャ(資本構成)
時間が長くなればなるほど、将来についての不確実性が増大しますから、リスクは大きくなります。企業は、事業固有のキャッシュフローの時間のリスクをコントロールするようにキャピタル・ストラクチャを工夫します。時間のリスクが小さいものは、中短期の確定債務(融資や社債)による調達がしやすい一方で、時間のリスクが大きいものは、長期債務によるか、株式による調達が主流になります。

◆投資判断の三つの要素
第一に、企業のもつ事業キャッシュフローの時間のリスクに対する評価、第二に、キャピタル・ストラクチャを通じてリスク管理する経営手腕の評価、第三に、キャピタル・ストラクチャのどこに投資するかという選択、これらが、重要な投資判断になります。

◆期限の利益
債務を期前弁済する必要が生じたり、満期のきた債務を借り替えることができなくなったりすると、時間を借りていることの基本前提が崩れます。いわゆる「期限の利益の喪失」は、キャピタル・ストラクチャを崩壊させるリスクを意味します。

◆成育・熟成
農林水産業は、森林資源が代表例のように、時間そのものが付加価値を創出する事例が多くある一方で、金融サービスの導入の最も遅れている産業です。それゆえに、金融・投資の仕組みを工夫することで、新たなる成長を期待できると思われます。



次回、2009年 第7回HC資産運用セミナーは
『実物資産への投資の意義と方法?資産を使った資金調達の仕組みと新しい投資対象?』です。

また、7/27(月)に緊急特別セミナー「低金利下の債券運用の革新」を開催致します!
併せて、皆様のご参加をお待ちしております!




なお、本セミナーで実施致しました「セミナーテーマに関するアンケート」の結果に関しましては、「HCセミナー・アンケートレポート」にて公表予定です。