Lifebond担保付ローン戦略 公開ミーティング要旨
日時: 6月9日(火) 14時-16時
場所: HC 5階会議室
マネジャ: Micheal Boesch氏(CEO/Lifebond)、Alfred Kreiselmaier氏(Partner/Lifebond Japan)、Mihail Bilostinnyi氏(LuxAG)
HC: 柳井、吉澤
[会社情報]
・LuxAGは、証券化商品の組成やSPVの組成、管理を行う専門会社。Lifebond、ドイツの貯蓄銀行など4社が所有。
・Lifebondはドイツの生命保険2次買い取りやライフセトルメントファンドの運営を行う会社。ドイツで初めて米国の生命保険証書に投資するライフセトルメントファンドを組成、販売した。ドイツ国内では先駆者的立場。
・Lifebondは100%役職員が所有。
・現在5つのクローズドエンド型ライフセトルメントファンドを運営しており、運用資産は4.3億ドル(死亡保険金ベースでは8.3億ドル)。今後、追加で2ファンド立ち上げ予定。
・顧客は欧州のみ。
・当戦略は、欧州のみでマーケティングしている。投資予定者には、融資を受けるライフセトルメントファンドに投資している投資家がヘッジ目的で投資を予定している投資家が多い。
[担保付ローン戦略情報]
・ファンド内の現金が不足している欧州系ライフセトルメントファンドへの担保付ローン戦略。
・現在の融資対象は5ファンドで、融資先候補は10ファンドすでに選定済み。決定している融資先はすべてクローズドエンド型ファンド。
・融資先ファンドの保有している生命保険証書を担保に年率5%の最低利息を取る。融資先ファンドのリターンが年率15%を超えた場合にはリターンに応じて、ファンドの受け取り死亡保険金の一部からも利息を取る変動金利型であることが特徴。
・融資額100に対して200以上の価値を持つ生命保険を担保に取る。死亡保険金の支払いなどによって生命保険が失効するときは追加担保を取り、担保価値は200以上を維持する。複数の保険会社が同時に倒産したり、期待余命が大幅に伸びない限り、担保によってローンの元本は回収可能。
・リスクは保険会社の倒産などの事由によって担保の生命保険が無効になることや、生命表の変更によって担保である生命保険の価値が大幅に下落すること。担保割れした場合はローンを引き上げる。
・ファンド設定当初の融資先はすべてLifebondが運用しているクローズドエンド型ファンド。生命保険買取会社の立場からLifebond自身が担保である生命保険の価値を算定するだけでなく、第3者の評価機関による評価を行い担保資産価額を算出する。
・ファンドは2009年6月4日に設定済み。7月第1週までに募集を終了したい。5千万ドルが目標。8千万ドルの融資ニーズがあるので投資家の投資見込みがあればクローズ日を延長する。投資期間4年で、最初の1年はロックアップ。四半期ごとに解約を受け付ける。
・7月以降であっても投資家のニーズがある場合には、シェアクラスの追加や新規ファンドの設定などで対応を考える。検討が必要だが、投資家の投資開始時期がわかっていれば、それにあわせた対応を考える。
・潜在的な融資ニーズは最低でも1億6千万ドルあると見込んでいる。
[Q&A]
Q1:生命保険の時価算定に用いる生命表の変更で期待余命が伸び、現金不足を招いたとの説明があった一方で、生命保険は資産として毀損していないというのはどのようなことか。
A1:生命表の変更によって期待余命が伸びた。そのため、保険料支払いや解約対応などに必要なファンド運営のための現金が枯渇してしまった。しかし、生命保険証書によって死亡保険金の金額には何の影響もない。
Q2:生命保険買取からの資金フローを確認したい。
A2:ライフセトルメントファンドが中間業者を通じて個人から生命保険を買い取る。そのファンドは、生命保険契約を存続するため保険会社に保険料を払い続ける。被保険者の死亡時にそのファンドが死亡保険金を受け取る。受け取った死亡保険金と支払った保険料の合計額の差がライフセトルメントファンドのリターンとなる。当戦略はライフセトルメントファンドに対して融資を行う。ライフセトルメントファンドが仮にリターンをあげられなくても、最低金利5%を取り、ライフセトルメントファンドが高いリターンをあげれば、それに応じて追加で金利を取る。追加金利はリターンに対して取るのではなく、ファンドが受け取った死亡保険金そのものに対して一定割合を取る。ライフセトルメントファンドの支払保険金や生命保険の買取金のようなコストを払うことなく、ライフセトルメントファンドのリターンに参加できていると言える。
Q3:米国で買い取られる生命保険は富裕層の方のものであるとあったが、富裕層の方々は一般の人より、健康や不慮の事故などに一層、気を使っていると考えられる。そのため、一般の方よりも寿命が長いと思うがライフセトルメントの評価基準になっている生命表は対応できているのか。
A3:確かに富裕層の方は一般の方より寿命が長い。問題になった生命表はそこが織り込まれていなかった。最新のライフセトルメントの期待余命測定に使われる生命表ではそれが改善された。
Q4:生命表は誰が作成しているのか。米国政府機関が作成しているのか。カバレッジはどの程度あるのか。
A4:生命保険会社が使用している生命表は保険業協会が出している。ライフセトルメントの余命計測に用いられる生命表はそれを基に作られるが、それとは違う。病歴や生活習慣などによって生命保険会社の用いている生命表から死亡確率を再計算する。米国の余命計測機関はすべて民間の会社で、4社あるが、計算基準はそれぞれ違う。最近では病歴、生活習慣と期待余命に関するデータベースが構築されたので、機関ごとの期待余命のギャップは小さくなった。カバレッジの面はそれぞれの余命計測機関に持ち込まれていた案件をデータとして保有しているだけで、全米のデータは最近できたデータベースにしかないのではないか。
Q5:この戦略の最大のリスクは何か。
A5:平均寿命が想定以上に延びることと保険会社の信用リスク。前回のように期待余命が25%以上伸びたり、保険会社が同時に何社も倒産したりしない限り担保割れは起こさない。担保が割れたら融資を引き上げることになるのでリターンは得られない。ライフセトルメントファンドと同じリスクではあるが、あくまでライフセトルメントのパフォーマンスの問題ではなく、担保価値の低下に基づく担保割れの可能性がリスク。
Q6:この戦略のほかにも投資銀行やヘッジファンドが同様の戦略をやりそうだが、当戦略の強みは何か。
A6:本来は投資銀行がやるのだろうが、現状では投資銀行自体にファンドに対して融資するだけの体力がない。ヘッジファンドも同様。この戦略を行えること自体が強みであり、ライフセトルメントファンドが保有している生命保険証書の被保険者は平均で83歳程度である。被保険者の期待余命から考えて、今後4年程度しかない投資機会だと認識している。信用収縮とライフセトルメントファンド業界の問題が偶然重なったためにできた格好の機会である。
以上
留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。
場所: HC 5階会議室
マネジャ: Micheal Boesch氏(CEO/Lifebond)、Alfred Kreiselmaier氏(Partner/Lifebond Japan)、Mihail Bilostinnyi氏(LuxAG)
HC: 柳井、吉澤
[会社情報]
・LuxAGは、証券化商品の組成やSPVの組成、管理を行う専門会社。Lifebond、ドイツの貯蓄銀行など4社が所有。
・Lifebondはドイツの生命保険2次買い取りやライフセトルメントファンドの運営を行う会社。ドイツで初めて米国の生命保険証書に投資するライフセトルメントファンドを組成、販売した。ドイツ国内では先駆者的立場。
・Lifebondは100%役職員が所有。
・現在5つのクローズドエンド型ライフセトルメントファンドを運営しており、運用資産は4.3億ドル(死亡保険金ベースでは8.3億ドル)。今後、追加で2ファンド立ち上げ予定。
・顧客は欧州のみ。
・当戦略は、欧州のみでマーケティングしている。投資予定者には、融資を受けるライフセトルメントファンドに投資している投資家がヘッジ目的で投資を予定している投資家が多い。
[担保付ローン戦略情報]
・ファンド内の現金が不足している欧州系ライフセトルメントファンドへの担保付ローン戦略。
・現在の融資対象は5ファンドで、融資先候補は10ファンドすでに選定済み。決定している融資先はすべてクローズドエンド型ファンド。
・融資先ファンドの保有している生命保険証書を担保に年率5%の最低利息を取る。融資先ファンドのリターンが年率15%を超えた場合にはリターンに応じて、ファンドの受け取り死亡保険金の一部からも利息を取る変動金利型であることが特徴。
・融資額100に対して200以上の価値を持つ生命保険を担保に取る。死亡保険金の支払いなどによって生命保険が失効するときは追加担保を取り、担保価値は200以上を維持する。複数の保険会社が同時に倒産したり、期待余命が大幅に伸びない限り、担保によってローンの元本は回収可能。
・リスクは保険会社の倒産などの事由によって担保の生命保険が無効になることや、生命表の変更によって担保である生命保険の価値が大幅に下落すること。担保割れした場合はローンを引き上げる。
・ファンド設定当初の融資先はすべてLifebondが運用しているクローズドエンド型ファンド。生命保険買取会社の立場からLifebond自身が担保である生命保険の価値を算定するだけでなく、第3者の評価機関による評価を行い担保資産価額を算出する。
・ファンドは2009年6月4日に設定済み。7月第1週までに募集を終了したい。5千万ドルが目標。8千万ドルの融資ニーズがあるので投資家の投資見込みがあればクローズ日を延長する。投資期間4年で、最初の1年はロックアップ。四半期ごとに解約を受け付ける。
・7月以降であっても投資家のニーズがある場合には、シェアクラスの追加や新規ファンドの設定などで対応を考える。検討が必要だが、投資家の投資開始時期がわかっていれば、それにあわせた対応を考える。
・潜在的な融資ニーズは最低でも1億6千万ドルあると見込んでいる。
[Q&A]
Q1:生命保険の時価算定に用いる生命表の変更で期待余命が伸び、現金不足を招いたとの説明があった一方で、生命保険は資産として毀損していないというのはどのようなことか。
A1:生命表の変更によって期待余命が伸びた。そのため、保険料支払いや解約対応などに必要なファンド運営のための現金が枯渇してしまった。しかし、生命保険証書によって死亡保険金の金額には何の影響もない。
Q2:生命保険買取からの資金フローを確認したい。
A2:ライフセトルメントファンドが中間業者を通じて個人から生命保険を買い取る。そのファンドは、生命保険契約を存続するため保険会社に保険料を払い続ける。被保険者の死亡時にそのファンドが死亡保険金を受け取る。受け取った死亡保険金と支払った保険料の合計額の差がライフセトルメントファンドのリターンとなる。当戦略はライフセトルメントファンドに対して融資を行う。ライフセトルメントファンドが仮にリターンをあげられなくても、最低金利5%を取り、ライフセトルメントファンドが高いリターンをあげれば、それに応じて追加で金利を取る。追加金利はリターンに対して取るのではなく、ファンドが受け取った死亡保険金そのものに対して一定割合を取る。ライフセトルメントファンドの支払保険金や生命保険の買取金のようなコストを払うことなく、ライフセトルメントファンドのリターンに参加できていると言える。
Q3:米国で買い取られる生命保険は富裕層の方のものであるとあったが、富裕層の方々は一般の人より、健康や不慮の事故などに一層、気を使っていると考えられる。そのため、一般の方よりも寿命が長いと思うがライフセトルメントの評価基準になっている生命表は対応できているのか。
A3:確かに富裕層の方は一般の方より寿命が長い。問題になった生命表はそこが織り込まれていなかった。最新のライフセトルメントの期待余命測定に使われる生命表ではそれが改善された。
Q4:生命表は誰が作成しているのか。米国政府機関が作成しているのか。カバレッジはどの程度あるのか。
A4:生命保険会社が使用している生命表は保険業協会が出している。ライフセトルメントの余命計測に用いられる生命表はそれを基に作られるが、それとは違う。病歴や生活習慣などによって生命保険会社の用いている生命表から死亡確率を再計算する。米国の余命計測機関はすべて民間の会社で、4社あるが、計算基準はそれぞれ違う。最近では病歴、生活習慣と期待余命に関するデータベースが構築されたので、機関ごとの期待余命のギャップは小さくなった。カバレッジの面はそれぞれの余命計測機関に持ち込まれていた案件をデータとして保有しているだけで、全米のデータは最近できたデータベースにしかないのではないか。
Q5:この戦略の最大のリスクは何か。
A5:平均寿命が想定以上に延びることと保険会社の信用リスク。前回のように期待余命が25%以上伸びたり、保険会社が同時に何社も倒産したりしない限り担保割れは起こさない。担保が割れたら融資を引き上げることになるのでリターンは得られない。ライフセトルメントファンドと同じリスクではあるが、あくまでライフセトルメントのパフォーマンスの問題ではなく、担保価値の低下に基づく担保割れの可能性がリスク。
Q6:この戦略のほかにも投資銀行やヘッジファンドが同様の戦略をやりそうだが、当戦略の強みは何か。
A6:本来は投資銀行がやるのだろうが、現状では投資銀行自体にファンドに対して融資するだけの体力がない。ヘッジファンドも同様。この戦略を行えること自体が強みであり、ライフセトルメントファンドが保有している生命保険証書の被保険者は平均で83歳程度である。被保険者の期待余命から考えて、今後4年程度しかない投資機会だと認識している。信用収縮とライフセトルメントファンド業界の問題が偶然重なったためにできた格好の機会である。
以上
留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。
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