Cedar Rock世界株式戦略公開ミーティング要旨
日時: 10月21日(水) 13:30 ? 15:00
場所: HC 5階会議室
マネジャ: Nicholas Tingley氏(インベストメント・マネジャ)
HC: 橋本、前田、Ji Woong Chung、柳井
[会社情報]
・モルガンスタンレーのグローバルフランチャイズ運用を立ち上げたAndy Brown氏が設立。同氏は同運用戦略を96年2月から02年4月まで担当した。90年代はベンチマークとの乖離を気にする投資家が多く、同戦略の資産残高は伸び悩んだが、99-00年のITバブル崩壊時に好調な運用成績を継続したためモルガンスタンレー内で一躍脚光を浴び、資産残高が急増した。残高急増に伴って運用以外で費やさなければならない時間が増えたため、運用に専念できる環境を求めて独立した。
・戦略はモルガンスタンレー時代と同じで、メンバーも皆、同社で一緒に働いていた。シダーロックでは職員は自らの自己資金をファンドに投資している。
[世界株式戦略情報]
・長期的に安定したリターンを獲得できる20-25銘柄に3-5年の期間バイアンドホールドで投資する。資産保全を最優先する運用スタイルで、株式相場下落時においても長期に安定的なリターンを提供することが、結局は投資家の資産を増やすという信念に基づく。
・成長は緩やかであるが、資本効率がよく安定的なフリー・キャッシュ・フロー(以下FCF)を生み出すことができる銘柄に投資する。また技術進歩により経営環境の変化が生じうる分野の企業には投資しない。銘柄選択としては、①収益の反復性、②特に途上国市場への成長機会・経営陣、③ブランド力、④テクノロジーリスクの回避という4つのキーワードにまとめられる。
・投資する銘柄のFCFは、高格付社債の利回りより高いことが前提である。3%程度が配当で5-6%が企業業績の成長から獲得できる8-9%程度のFCFが投資のターゲットである。高品質でかつ割安な銘柄はそれほど多くなく、世界中で2-300の銘柄を常時見ている。MSCIのような市場インデックスに含まれる銘柄のほとんどは、当運用戦略の投資対象にはならない銘柄である。したがってベンチマーク自体を気にしていない。
・当戦略の保有銘柄は英米並びに一部の欧州上場銘柄が大部分を占める。その理由は、一般的に投資に値する企業は所有者が手放さず、株式投資の文化がある国でなければ、価値ある銘柄が市場に出てきにくいからである。保有銘柄の上場市場は英米中心ではあるが、生活必需品として世界中で消費されている企業を中心に保有しているため、ポートフォリオを企業収益の獲得地別でみると世界のGDP比に近くなる。このようにして、欧米株式中心の投資であっても、人口が増加し成長しているエマージング市場やアジアを運用戦略の中に取り込むことができる。
・通貨はヘッジしない。ヘッジはコストがかかるし、見通しを間違うことも多いからだ。また世界各国の市場で消費財を扱っている企業に投資しているため、通貨の変動は吸収されて打ち消し合っていると考えている。
・集中投資のため持ち株割合が高まることもあり、稼いだキャッシュフローの使い道については、経営層と議論することがある。せっかく安定的なビジネスを行っているのに、キャッシュが貯まると不要でコスト高の企業買収に乗り出そうとすることもあるからだ。
[Q&A]
Q1:通貨をヘッジしないということだが、保有銘柄の企業内で為替ヘッジをしているため必要ないということでもあるのか。
A1:全世界に事業展開している企業は大きな現地部門を持つため、現地で収益を上げるが同時に費用も現地で払っている。またヘッジにはコストもかかるため、為替ヘッジは子会社から親会社への資金送金分程度である企業が多い。
Q2:これまで日本企業に投資したことはあるのか。またどんな企業か。
A2:96年にフィルム会社を、97年には消費財企業を購入したが、いずれも早く売却する結果となった。余裕資金の使い道が気に入らなかったからだ。日本は高齢化で消費増が期待され注目すべきところ、日本企業はキャシュを溜め込む傾向が強く、また人口減でもありそれほど魅力ある市場とはいえない。
Q3:成長著しいインドや中国の企業には投資しないのか。
A3:インドや中国で現地子会社等により収益を獲得している世界的企業に投資をすれば、十分にそれら地域の成長を取り込める。エマージングで投資している銘柄は現在メキシコの1社のみで、それも先進国企業の現地子会社である。
Q4:環境分野やエネルギー分野等はこれから相当な期待がもてるのではないか。
A4:それらの分野は資本集約的でグロース型運用向きであり、また技術変革による収益変動もあるため、成長は緩やかで安定的なFCFの獲得を目指す運用戦略からは、好んで投資する銘柄ではない。
Q5:昨年のような相場状況の場合に、現金を増やす等の行動を取ることはあるのか。
A5:マーケットタイミングを取りにいくマネジャではない。基本的にフルインベストメントである。昨年の相場下落時にはバリューからみて割安と判断し、逆に優良企業を買い増しした。
以上
留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。
場所: HC 5階会議室
マネジャ: Nicholas Tingley氏(インベストメント・マネジャ)
HC: 橋本、前田、Ji Woong Chung、柳井
[会社情報]
・モルガンスタンレーのグローバルフランチャイズ運用を立ち上げたAndy Brown氏が設立。同氏は同運用戦略を96年2月から02年4月まで担当した。90年代はベンチマークとの乖離を気にする投資家が多く、同戦略の資産残高は伸び悩んだが、99-00年のITバブル崩壊時に好調な運用成績を継続したためモルガンスタンレー内で一躍脚光を浴び、資産残高が急増した。残高急増に伴って運用以外で費やさなければならない時間が増えたため、運用に専念できる環境を求めて独立した。
・戦略はモルガンスタンレー時代と同じで、メンバーも皆、同社で一緒に働いていた。シダーロックでは職員は自らの自己資金をファンドに投資している。
[世界株式戦略情報]
・長期的に安定したリターンを獲得できる20-25銘柄に3-5年の期間バイアンドホールドで投資する。資産保全を最優先する運用スタイルで、株式相場下落時においても長期に安定的なリターンを提供することが、結局は投資家の資産を増やすという信念に基づく。
・成長は緩やかであるが、資本効率がよく安定的なフリー・キャッシュ・フロー(以下FCF)を生み出すことができる銘柄に投資する。また技術進歩により経営環境の変化が生じうる分野の企業には投資しない。銘柄選択としては、①収益の反復性、②特に途上国市場への成長機会・経営陣、③ブランド力、④テクノロジーリスクの回避という4つのキーワードにまとめられる。
・投資する銘柄のFCFは、高格付社債の利回りより高いことが前提である。3%程度が配当で5-6%が企業業績の成長から獲得できる8-9%程度のFCFが投資のターゲットである。高品質でかつ割安な銘柄はそれほど多くなく、世界中で2-300の銘柄を常時見ている。MSCIのような市場インデックスに含まれる銘柄のほとんどは、当運用戦略の投資対象にはならない銘柄である。したがってベンチマーク自体を気にしていない。
・当戦略の保有銘柄は英米並びに一部の欧州上場銘柄が大部分を占める。その理由は、一般的に投資に値する企業は所有者が手放さず、株式投資の文化がある国でなければ、価値ある銘柄が市場に出てきにくいからである。保有銘柄の上場市場は英米中心ではあるが、生活必需品として世界中で消費されている企業を中心に保有しているため、ポートフォリオを企業収益の獲得地別でみると世界のGDP比に近くなる。このようにして、欧米株式中心の投資であっても、人口が増加し成長しているエマージング市場やアジアを運用戦略の中に取り込むことができる。
・通貨はヘッジしない。ヘッジはコストがかかるし、見通しを間違うことも多いからだ。また世界各国の市場で消費財を扱っている企業に投資しているため、通貨の変動は吸収されて打ち消し合っていると考えている。
・集中投資のため持ち株割合が高まることもあり、稼いだキャッシュフローの使い道については、経営層と議論することがある。せっかく安定的なビジネスを行っているのに、キャッシュが貯まると不要でコスト高の企業買収に乗り出そうとすることもあるからだ。
[Q&A]
Q1:通貨をヘッジしないということだが、保有銘柄の企業内で為替ヘッジをしているため必要ないということでもあるのか。
A1:全世界に事業展開している企業は大きな現地部門を持つため、現地で収益を上げるが同時に費用も現地で払っている。またヘッジにはコストもかかるため、為替ヘッジは子会社から親会社への資金送金分程度である企業が多い。
Q2:これまで日本企業に投資したことはあるのか。またどんな企業か。
A2:96年にフィルム会社を、97年には消費財企業を購入したが、いずれも早く売却する結果となった。余裕資金の使い道が気に入らなかったからだ。日本は高齢化で消費増が期待され注目すべきところ、日本企業はキャシュを溜め込む傾向が強く、また人口減でもありそれほど魅力ある市場とはいえない。
Q3:成長著しいインドや中国の企業には投資しないのか。
A3:インドや中国で現地子会社等により収益を獲得している世界的企業に投資をすれば、十分にそれら地域の成長を取り込める。エマージングで投資している銘柄は現在メキシコの1社のみで、それも先進国企業の現地子会社である。
Q4:環境分野やエネルギー分野等はこれから相当な期待がもてるのではないか。
A4:それらの分野は資本集約的でグロース型運用向きであり、また技術変革による収益変動もあるため、成長は緩やかで安定的なFCFの獲得を目指す運用戦略からは、好んで投資する銘柄ではない。
Q5:昨年のような相場状況の場合に、現金を増やす等の行動を取ることはあるのか。
A5:マーケットタイミングを取りにいくマネジャではない。基本的にフルインベストメントである。昨年の相場下落時にはバリューからみて割安と判断し、逆に優良企業を買い増しした。
以上
留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。
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