Comgest エマージング株式戦略公開ミーティング要旨
日時: 11月16日(月) 13:30 ? 15:00
場所: HC 5階会議室
マネジャ: Vincent Strauss氏(Managing Director)、山本和史氏(日本コムジェスト代表取締役)、
片山信夫氏(日本コムジェスト運用部長)
HC: 横山、前田、柳井
[会社情報]
・1986年設立。ロングのみの株式投資のスペシャリスト。パリ、香港、東京、ダブリンの4ヶ所に事務所がある。
・運用プロフェッショナルは欧州チームが7人、アジア・エマージングのチームが15人(パリ6人、香港5人、ムンバイ2人、東京2人)、グローバル・チームが4人である。役職員は全部で75名、出身国は20カ国にわたる。運用プロフェッショナルの定着率は非常に高い。アジア・エマージングチームでの退職者はこれまで2名のみ。また09年に5名の運用プロフェッショナルを新たに採用した。当社の株式は100%役職員が保有している。
・運用資産残高は09年10月末現在88億ユーロで、98年の19億ユーロから大きく伸びたが、当社の投資哲学をご理解いただける投資家のみを顧客としている。投資の地域別割合はエマージング/アジアが80%で、欧州は17%、その他が3%である。
・運用はリスク回避的で、シンプルで透明性の高い運用のみを行う。すなわち買い持ちの運用を行い、ヘッジ、デリバティブ、レバレッジ、貸株などは一切行わない。パフォーマンス・フィーもない。長期で平均以上のリターンを平均以下のリスクで獲得することに注力している。
[エマージング株式戦略情報]
・エマージング市場で時価総額10億ドル以上の株式が投資対象。ここから次のステップで銘柄選択を行う。 (1)5年の投資ホライズンで、一株当たり利益の成長率が10%以上、ROEが15%以上、キャッシュ・フローが順調で健全なバランスシートを持ち、参入障壁があり、堅固な経営を行っている会社という基準で300銘柄に絞り込む。 (2)それらの企業をさらに分析し、企業訪問で経営陣に会うなどする。(3)全員一致の投資決定で150銘柄に絞り込む。(4)バリュエーション・モデルを使い株価の上値と下値を予想する。(5)最終的に40-50銘柄のポートフォリオを構築する。
・バリュエーション・モデルについては、割引率、利益成長率、株価収益率、配当の予想から5年後の株価を予測し、そこから現在価値を算出する。それを直近の時価と比べてリターンを予測し、割安/割高を判断する。また同様な業態の企業を中国、ロシア、ブラジル、インド、アフリカなどで各国比較を行う。投資タイミングについては逆張りに徹する。
・完全なボトムアップであるため、国別やセクター別の配分は銘柄選択の結果である。
・実績については市場の下落時に強く、下落時には比較的小幅な下落となっているが、上昇時には市場に追随しないことが多い。例えば下落時では98年、08年、上昇時では99年、09年がそうであった。したがってポートフォリオのボラティリティは一般よりも低い傾向にある。
・現在の経済危機については、解決が何もなされていないと考えている。景気回復は弱く、銀行も体力が低下しており、政府債務が増加している。先進国は借入金や人口減、消費減という大きな問題を抱えている。資産価格はバブルである可能性が高い。1.金融機関を救済するために低金利が継続すること、2.エマージング諸国の成長率は先進国より高いであろうことが予測される。向こう2年間はバブル的な状態が続こうが、その後は金利が急上昇することで株価の大調整と大インフレが起こると予想する。
[Q&A]
Q1: エマージングの中でも、最近注目されているインドネシアについてはどう思うか。
A1: 国の成長という面では期待できるだろうが、インドネシアにはガバナンスや透明性、流動性の問題がある企業が多い。ただし、我々の基準に該当するような優良企業があれば、投資していきたい。
Q2: 相場の下落予想時には現金保有比率を上昇させるなどして、フル・インベストメントを改めることはあるのか。
A2: あくまでもフル・インベストメントの投資スタイルであり、現金はファンドの出入金や銘柄入替のためのみに保有する。
Q3: ヘルスケア関連の株式が少ないと思うがどうか。
A3: 世界的に見て、ヘルスケア市場はその大部分を先進国企業が占めているためである。
Q4: 素材セクターは、特に商品取引で企業の契約慣行が様々で不透明な部分があるため、企業の分析は難しいのではないか。
A4: 確かにそのリスクはある。金鉱会社など、その希少性から今後需要が伸びると思われる会社のみに投資している。
Q5: カントリー・リスクについてはどう考えるか。
A5: 各国の経常収支の動向は注視している。
以上
留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。
場所: HC 5階会議室
マネジャ: Vincent Strauss氏(Managing Director)、山本和史氏(日本コムジェスト代表取締役)、
片山信夫氏(日本コムジェスト運用部長)
HC: 横山、前田、柳井
[会社情報]
・1986年設立。ロングのみの株式投資のスペシャリスト。パリ、香港、東京、ダブリンの4ヶ所に事務所がある。
・運用プロフェッショナルは欧州チームが7人、アジア・エマージングのチームが15人(パリ6人、香港5人、ムンバイ2人、東京2人)、グローバル・チームが4人である。役職員は全部で75名、出身国は20カ国にわたる。運用プロフェッショナルの定着率は非常に高い。アジア・エマージングチームでの退職者はこれまで2名のみ。また09年に5名の運用プロフェッショナルを新たに採用した。当社の株式は100%役職員が保有している。
・運用資産残高は09年10月末現在88億ユーロで、98年の19億ユーロから大きく伸びたが、当社の投資哲学をご理解いただける投資家のみを顧客としている。投資の地域別割合はエマージング/アジアが80%で、欧州は17%、その他が3%である。
・運用はリスク回避的で、シンプルで透明性の高い運用のみを行う。すなわち買い持ちの運用を行い、ヘッジ、デリバティブ、レバレッジ、貸株などは一切行わない。パフォーマンス・フィーもない。長期で平均以上のリターンを平均以下のリスクで獲得することに注力している。
[エマージング株式戦略情報]
・エマージング市場で時価総額10億ドル以上の株式が投資対象。ここから次のステップで銘柄選択を行う。 (1)5年の投資ホライズンで、一株当たり利益の成長率が10%以上、ROEが15%以上、キャッシュ・フローが順調で健全なバランスシートを持ち、参入障壁があり、堅固な経営を行っている会社という基準で300銘柄に絞り込む。 (2)それらの企業をさらに分析し、企業訪問で経営陣に会うなどする。(3)全員一致の投資決定で150銘柄に絞り込む。(4)バリュエーション・モデルを使い株価の上値と下値を予想する。(5)最終的に40-50銘柄のポートフォリオを構築する。
・バリュエーション・モデルについては、割引率、利益成長率、株価収益率、配当の予想から5年後の株価を予測し、そこから現在価値を算出する。それを直近の時価と比べてリターンを予測し、割安/割高を判断する。また同様な業態の企業を中国、ロシア、ブラジル、インド、アフリカなどで各国比較を行う。投資タイミングについては逆張りに徹する。
・完全なボトムアップであるため、国別やセクター別の配分は銘柄選択の結果である。
・実績については市場の下落時に強く、下落時には比較的小幅な下落となっているが、上昇時には市場に追随しないことが多い。例えば下落時では98年、08年、上昇時では99年、09年がそうであった。したがってポートフォリオのボラティリティは一般よりも低い傾向にある。
・現在の経済危機については、解決が何もなされていないと考えている。景気回復は弱く、銀行も体力が低下しており、政府債務が増加している。先進国は借入金や人口減、消費減という大きな問題を抱えている。資産価格はバブルである可能性が高い。1.金融機関を救済するために低金利が継続すること、2.エマージング諸国の成長率は先進国より高いであろうことが予測される。向こう2年間はバブル的な状態が続こうが、その後は金利が急上昇することで株価の大調整と大インフレが起こると予想する。
[Q&A]
Q1: エマージングの中でも、最近注目されているインドネシアについてはどう思うか。
A1: 国の成長という面では期待できるだろうが、インドネシアにはガバナンスや透明性、流動性の問題がある企業が多い。ただし、我々の基準に該当するような優良企業があれば、投資していきたい。
Q2: 相場の下落予想時には現金保有比率を上昇させるなどして、フル・インベストメントを改めることはあるのか。
A2: あくまでもフル・インベストメントの投資スタイルであり、現金はファンドの出入金や銘柄入替のためのみに保有する。
Q3: ヘルスケア関連の株式が少ないと思うがどうか。
A3: 世界的に見て、ヘルスケア市場はその大部分を先進国企業が占めているためである。
Q4: 素材セクターは、特に商品取引で企業の契約慣行が様々で不透明な部分があるため、企業の分析は難しいのではないか。
A4: 確かにそのリスクはある。金鉱会社など、その希少性から今後需要が伸びると思われる会社のみに投資している。
Q5: カントリー・リスクについてはどう考えるか。
A5: 各国の経常収支の動向は注視している。
以上
留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。
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