過去の日本の株価は平均値としては上昇していないが、背景に、平均的な日本企業の経営の問題性があると仮定した場合、その問題とは何か?「財務管理のあり方に、株価(株主)重視の視点が弱すぎたから」が最も多く44%
今回の調査の対象は、弊社月例資産運用セミナーにご参加頂いた機関投資家をはじめとする資産運用業界関係者で、全参加31名中16名の方に、株価と経営行動の問題性についてアンケートにご協力頂きました。
<br>理論的には、事業価値とキャピタルストラクチャ価値(ネット事業キャッシュフローの現在価値)の総計は、一致するはずです。したがって、事業価値の合計から、株式以外の全債務の価値を引くと、残りが株式価値になるはずです。さて、そうなりますと、理屈上は、株価と経営行動との関連で、次のような極端な立場を考えることができるわけであります。
1.経営とは、事業価値を高めることが目的である。事業価値を高めることは、インフロー(売上)を増やすことである。その結果、その他の要因にして同じならば、株価は上がる道理である。仮に、売上至上主義と呼びましょう。
2.経営とは、事業価値を高めることが目的である。収入(インフロー、売上)を科学的に予測できない以上、事業価値を高めることは、アウトフロー(コスト)を徹底的に科学的に管理することである。その結果、その他の要因にして同じならば、株価は上がる道理である。しかも、環境の好転等で、売上が伸びれば、株価は、一層、上昇するはずである。仮に、コスト管理主義と呼びましょう。
3.事業価値を高める努力には、大きな不確実性が付きまとう。科学的な経営とは、事業価値の維持を前提として、キャピタルストラクチャの最適構成を考える財務管理のことである。その他の要因にして一定ならば、株数を極力少なくできるように負債管理を行い、あるいは、M&Aで事業価値の定まった企業を吸収し、財務的リストラクチャリングを行うことで、必然的に株価は上昇する。仮に、財務管理主義、あるいは株主至上主義と呼びましょう。
理論的には、株価上昇を規定する要因は、概ね、以上の三点の方向へ集約されるのだろうと思われます。もちろん、理想は、三要素の適切なバランスであり、環境変化に適合した重点の適切なシフトにあるのですが、現実には、簡単ではないでしょう。
2.経営とは、事業価値を高めることが目的である。収入(インフロー、売上)を科学的に予測できない以上、事業価値を高めることは、アウトフロー(コスト)を徹底的に科学的に管理することである。その結果、その他の要因にして同じならば、株価は上がる道理である。しかも、環境の好転等で、売上が伸びれば、株価は、一層、上昇するはずである。仮に、コスト管理主義と呼びましょう。
3.事業価値を高める努力には、大きな不確実性が付きまとう。科学的な経営とは、事業価値の維持を前提として、キャピタルストラクチャの最適構成を考える財務管理のことである。その他の要因にして一定ならば、株数を極力少なくできるように負債管理を行い、あるいは、M&Aで事業価値の定まった企業を吸収し、財務的リストラクチャリングを行うことで、必然的に株価は上昇する。仮に、財務管理主義、あるいは株主至上主義と呼びましょう。
理論的には、株価上昇を規定する要因は、概ね、以上の三点の方向へ集約されるのだろうと思われます。もちろん、理想は、三要素の適切なバランスであり、環境変化に適合した重点の適切なシフトにあるのですが、現実には、簡単ではないでしょう。
Q.1 過去の日本の株価は、平均値としては、上昇していませんが、背景に、平均的な日本企業の経営の問題性があるのだと仮定したとして、その問題とは何でしょうか。以下の中から、一番近いとお考えになるものを、一つだけお選びください。
1.日本経済が低成長に転じた後も、売上至上主義的経営方式から脱却できず、コスト管理面、財務管理面の経営技術に、弱点があったから。
2.低成長を前提にしたコスト管理的側面が強くなりすぎて、肝心の成長志向が弱くなったから。
3.財務管理のあり方に、株価(株主)重視の視点が弱すぎたから。
4.その他
2.低成長を前提にしたコスト管理的側面が強くなりすぎて、肝心の成長志向が弱くなったから。
3.財務管理のあり方に、株価(株主)重視の視点が弱すぎたから。
4.その他
“「事業価値とキャピタルストラクチャ~「証券」への投資から「事業」への投資へ」セミナーテーマにおけるアンケートは以上となります。
なお、本セミナーのまとめや、当日配布資料についてはセミナーレポートからご覧頂けます。
次回、2012/711(水)開催・HC資産運用セミナーは『実物資産投資とアセットファイナンスの意義と方法―資産を使った資金調達の仕組みと資本市場の構造変―』となります。
是非とも皆様のご参加をお待ちしております。
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