2012/7/11開催 HC資産運用セミナーvol.055「実物資産投資とアセットファイナンスの意義と方法」セミナーレポート
HCセミナー
「みなさんが投資するということは、公的機関や産業界が資金調達するということです。今、B/Sを拡大せずに資金調達する方法としてアセットファイナンスの注目度が上がってきています。不動産、インフラ、エネルギーなど様々な名称で呼ばれていますけれども、全て、アセットファイナンスであり、とても大きな市場なのです。」
「不動産というモノに投資するという概念は無いんですよ、不動産はただの土地であり鉄の塊です。みなさんは不動産に乗っている賃貸借契約のキャッシュフローに投資しているのです。投資は全て契約です。」
「不動産というモノに投資するという概念は無いんですよ、不動産はただの土地であり鉄の塊です。みなさんは不動産に乗っている賃貸借契約のキャッシュフローに投資しているのです。投資は全て契約です。」
≪セミナー内容≫
セミナはまたもや東京電力の話から。なぜ森本が東京電力問題に熱心なのかというと、資金調達方法の適正性が問われる事案として注目されるからなのです。
無理な増資は株主利益を毀損し、社債発行は格付維持を考えれば限界があるなかで、アセットファイナンスはB/Sの健全性を高める方向での資金調達です。投資家にとっては、社債より高い利回りが期待できるうえ、契約内容次第でリスクリターンの水準を任意に設計できる魅力があります。
計画通り東京電力が配送電事業に特化する場合、調達手段として発電所を売却すると、有利子負債↓→財務体質↑→経営指標↑→株価↑の可能性が高まります。債務者にとっては平均的な調達コストの負担、債権者にとっては貸付先の財務健全性維持、株主にとっては価値の毀損回避、という三位利害一致のソリューションが期待されるのです。逆に、特定の立場を利する取引は断固認めてはなりません。オリンパスの増資は悪い事例でした。あの状況での増資は債権者有利なだけで株主価値は毀損、事業売却やアセットファイナンスを活用すれば投資家の権利は守られたはずです。
さて、アセットファイナンスは、事業会社の中核資産を厳選するからこそ、投資家にとってキャッシュフローが安定する投資対象となりうることは言うまでもありません。
回収のリスク面をみますと、市場取引される流動資産はいつでも売れる投資対象ですが、売りたいときには値下がりしているときも多いでしょう。一方、相対取引される非流動資産は、売れ
ない分強い権利設定ができますので、回収の安全性はむしろ高いと言えるでしょう。
最後に、いつ投資するのが良いかという点ですが、どんなサイクルにも投資機会はあります。資産(契約)の魅力が高いと判断されたら、市場環境に応じてフルエクイティが良いのか、メザニンが良いのか等最適なファイナンス手段を選べばいいのです。
今後とも広がりが予測されるアセットファイナンスの世界。ぜひ、みなさまも考えてみてください。
当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。
詳細レポートをご希望の方は、下記アドレスまでお気軽にお申し付けください。
HCアセットマネジメント運用部:research@hcax.com
■セミナーで実施したアンケートの集計結果
無理な増資は株主利益を毀損し、社債発行は格付維持を考えれば限界があるなかで、アセットファイナンスはB/Sの健全性を高める方向での資金調達です。投資家にとっては、社債より高い利回りが期待できるうえ、契約内容次第でリスクリターンの水準を任意に設計できる魅力があります。
計画通り東京電力が配送電事業に特化する場合、調達手段として発電所を売却すると、有利子負債↓→財務体質↑→経営指標↑→株価↑の可能性が高まります。債務者にとっては平均的な調達コストの負担、債権者にとっては貸付先の財務健全性維持、株主にとっては価値の毀損回避、という三位利害一致のソリューションが期待されるのです。逆に、特定の立場を利する取引は断固認めてはなりません。オリンパスの増資は悪い事例でした。あの状況での増資は債権者有利なだけで株主価値は毀損、事業売却やアセットファイナンスを活用すれば投資家の権利は守られたはずです。
さて、アセットファイナンスは、事業会社の中核資産を厳選するからこそ、投資家にとってキャッシュフローが安定する投資対象となりうることは言うまでもありません。
回収のリスク面をみますと、市場取引される流動資産はいつでも売れる投資対象ですが、売りたいときには値下がりしているときも多いでしょう。一方、相対取引される非流動資産は、売れ
ない分強い権利設定ができますので、回収の安全性はむしろ高いと言えるでしょう。
最後に、いつ投資するのが良いかという点ですが、どんなサイクルにも投資機会はあります。資産(契約)の魅力が高いと判断されたら、市場環境に応じてフルエクイティが良いのか、メザニンが良いのか等最適なファイナンス手段を選べばいいのです。
今後とも広がりが予測されるアセットファイナンスの世界。ぜひ、みなさまも考えてみてください。
(文責:柳井知之/橋本あかね)
当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。
詳細レポートをご希望の方は、下記アドレスまでお気軽にお申し付けください。
HCアセットマネジメント運用部:research@hcax.com
■セミナーで実施したアンケートの集計結果
Q1 不動産ファンドや、インフラストラクチャ・ファンドの中には、開発案件を含むものもあり得ます。つまり、既存の稼動している不動産や施設の取得だけではなく、新たなる建設による取得も可能にしているタイプのものです。これに関して、一番近いと思われるものを、一つだけお選びください。
1.運用者の技術は、基本的に、金融に関するものなので、既存のキャッシュフロー 評価はできても、新規の開発を行うことまでは、 技術的に無理なはずである。故に、開発は行うべきではない。
2.既存の物件といえども、維持管理や価値上昇のための追加投資等は行わざるを得ないのだから、運用者の能力には、新規開発もできる程度の技術を含んでいるはずだ。キャッシュフローが合理的に読めるような案件を厳選して、一定の上限をつけて行う限り、問題はない。
3.不動産やインフラストラクチャの運用者は、当然に、開発もできるだけの十分な専門的技術を備えていなければならない。新しい投資機会は、積極的に、開発すべきである。
4.その他
5.無回答
2.既存の物件といえども、維持管理や価値上昇のための追加投資等は行わざるを得ないのだから、運用者の能力には、新規開発もできる程度の技術を含んでいるはずだ。キャッシュフローが合理的に読めるような案件を厳選して、一定の上限をつけて行う限り、問題はない。
3.不動産やインフラストラクチャの運用者は、当然に、開発もできるだけの十分な専門的技術を備えていなければならない。新しい投資機会は、積極的に、開発すべきである。
4.その他
5.無回答
Q2 もしも、実物資産投資を検討するとしたら、その動機は、どのようなものでしょうか。一番近いと思われるものを、一つだけお選びください。
1.投資対象の多様化の一環として。
2.安定的なキャッシュフローを得るために。
3.インフレに対するヘッジ資産として。
4.資源の希少性が作り出す投資機会として。
5.先進国の財政難が作り出す投資機会として。
6.その他
7.無回答
2.安定的なキャッシュフローを得るために。
3.インフレに対するヘッジ資産として。
4.資源の希少性が作り出す投資機会として。
5.先進国の財政難が作り出す投資機会として。
6.その他
7.無回答
Q3 金(金の地金)は、機関投資家にとっての適格な投資対象だと思われますか。
1.適格な投資対象である。
2.適格な投資対象ではない。
3.無回答
『実物資産投資とアセットファイナンスの意義と方法~資産を使った資金調達の仕組みと資本市場の構造変化~』におけるアンケートは以上となります。
次回、2012/8/8(水)開催・HC資産運用セミナーは『キャッシュフロー創出力を高める努力としての資産運用~伝統的な資産管理方法の根本的な刷新~』となります。
是非とも皆様のご参加をお待ちしております。
2.適格な投資対象ではない。
3.無回答
『実物資産投資とアセットファイナンスの意義と方法~資産を使った資金調達の仕組みと資本市場の構造変化~』におけるアンケートは以上となります。
次回、2012/8/8(水)開催・HC資産運用セミナーは『キャッシュフロー創出力を高める努力としての資産運用~伝統的な資産管理方法の根本的な刷新~』となります。
是非とも皆様のご参加をお待ちしております。
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