2012/11/14開催 HC資産運用セミナーvol.059「資産配分から投資収益源泉の選択による機能配分へ」セミナーレポート
HCセミナー
資産配分の前にまず資産の選択を
一般に言われているように、資産配分がリターンの大半を決定することは間違いありません。資産配分を決定するのは、本来運用会社の仕事であるべきですが、実際に資産配分を決定しているのは投資家です。しかも標準偏差を使った最適化による資産配分といった間違った配分が行われているのが現実です。
資産配分以前の問題として、配分対象の資産が適切に選択されていることが重要だと考えます。ところで、資産の定義とは何でしょうか?それは、「キャッシュフローを生むもの」です。例えば、不動産の底地は借地権がついてこそ、資産と言えますが、価格上昇期待だけで底地を買うのは、投機であって資産の保有ではありません。金も資産ではありません。なぜならキャッシュフローを生み出さないからです。従って、資産配分とは、「生まれてくるキャッシュフローの源泉を分ける」ことです。
資産の本源的価値と市場価格の差
資産が将来に渡って生み出すであろうキャッシュフローを、現在価値に割引いたものの総計を本源的価値とします。一方で、資産が市場で取引される限り、実際の取引価格としての市場価格がつきますが、当該価格が本源的価値と必ずしも一致するとは限りません。
例えば、乳牛への投資は、牛乳の売却代金から飼料代等の飼育費を控除した後の事業キャッシュフローを得ることが目的ですが、実際の取引においては、まず市場における価格が決まり、それをベースに利回りが決まります。しかし牛本来の価値は、余命から逆算されたキャッシュフロー(牛乳代から飼育費を控除した)の現在価値だと考えられます。この場合の理論価格と市場価格は異なっているのが一般的ではないでしょうか。
運用会社のノウハウとは?~確信度と規律~
良いものへ安い価格で投資することは投資のイロハですが、運用会社が果たすべき投資判断とは次の点です。(1)資産の本源的価値をどのように算定するか、(2)一時的に市場価格が本源的価値を下回る状況をどのように認識するのか、(3)割安な状況が解消する道筋と、その解消までの時間軸をどのように認識するかです。
つまり運用会社として、割安な状況が発生している原因を見極め、市場価格が一時的に下落しているだけなのか、あるいは本源的価値が毀損したことにより下落しているのかについて、高い「確信度」を持って判断することが必要だということです。さらに割安な状況が解消するまでの時間と解消するための要因(カタリスト)を見極め、判断に誤りがあった場合には、必ず売るという「規律」、また逆に割安な状況が解消された場合にも、売るという「規律」が必要であるということです。
最後に
以上より、資産配分を行う場合には、仮に適正な価格で資産を取得した(割安な価格での取得ではない)としても利息や配当金といった投資収益が得られるインカム主体の資産運用と、市場取引によって生み出される割安な状況を活用し、割安な価格で資産を取得することで、追加的な収益をあげようとする投資機会を捉えた資産運用を組み合わせる資産配分を考えてはいかがでしょうか。実際に当社は、本源的収益つまりインカムに、投資機会を捉えるための戦略を加えた総合的な収益を目指す運用をずっと行ってきていますし、今後もこれを続けていきます。
当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。
詳細レポートをご希望の方は、下記アドレスまでお気軽にお申し付けください。
HCアセットマネジメント運用部:research@hcax.com
■セミナーで実施したアンケートの集計結果
一般に言われているように、資産配分がリターンの大半を決定することは間違いありません。資産配分を決定するのは、本来運用会社の仕事であるべきですが、実際に資産配分を決定しているのは投資家です。しかも標準偏差を使った最適化による資産配分といった間違った配分が行われているのが現実です。
資産配分以前の問題として、配分対象の資産が適切に選択されていることが重要だと考えます。ところで、資産の定義とは何でしょうか?それは、「キャッシュフローを生むもの」です。例えば、不動産の底地は借地権がついてこそ、資産と言えますが、価格上昇期待だけで底地を買うのは、投機であって資産の保有ではありません。金も資産ではありません。なぜならキャッシュフローを生み出さないからです。従って、資産配分とは、「生まれてくるキャッシュフローの源泉を分ける」ことです。
資産の本源的価値と市場価格の差
資産が将来に渡って生み出すであろうキャッシュフローを、現在価値に割引いたものの総計を本源的価値とします。一方で、資産が市場で取引される限り、実際の取引価格としての市場価格がつきますが、当該価格が本源的価値と必ずしも一致するとは限りません。
例えば、乳牛への投資は、牛乳の売却代金から飼料代等の飼育費を控除した後の事業キャッシュフローを得ることが目的ですが、実際の取引においては、まず市場における価格が決まり、それをベースに利回りが決まります。しかし牛本来の価値は、余命から逆算されたキャッシュフロー(牛乳代から飼育費を控除した)の現在価値だと考えられます。この場合の理論価格と市場価格は異なっているのが一般的ではないでしょうか。
運用会社のノウハウとは?~確信度と規律~
良いものへ安い価格で投資することは投資のイロハですが、運用会社が果たすべき投資判断とは次の点です。(1)資産の本源的価値をどのように算定するか、(2)一時的に市場価格が本源的価値を下回る状況をどのように認識するのか、(3)割安な状況が解消する道筋と、その解消までの時間軸をどのように認識するかです。
つまり運用会社として、割安な状況が発生している原因を見極め、市場価格が一時的に下落しているだけなのか、あるいは本源的価値が毀損したことにより下落しているのかについて、高い「確信度」を持って判断することが必要だということです。さらに割安な状況が解消するまでの時間と解消するための要因(カタリスト)を見極め、判断に誤りがあった場合には、必ず売るという「規律」、また逆に割安な状況が解消された場合にも、売るという「規律」が必要であるということです。
最後に
以上より、資産配分を行う場合には、仮に適正な価格で資産を取得した(割安な価格での取得ではない)としても利息や配当金といった投資収益が得られるインカム主体の資産運用と、市場取引によって生み出される割安な状況を活用し、割安な価格で資産を取得することで、追加的な収益をあげようとする投資機会を捉えた資産運用を組み合わせる資産配分を考えてはいかがでしょうか。実際に当社は、本源的収益つまりインカムに、投資機会を捉えるための戦略を加えた総合的な収益を目指す運用をずっと行ってきていますし、今後もこれを続けていきます。
(文責:大橋理瑛/金田明)
当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。
詳細レポートをご希望の方は、下記アドレスまでお気軽にお申し付けください。
HCアセットマネジメント運用部:research@hcax.com
■セミナーで実施したアンケートの集計結果
Q1 「国内債券・外国債券・国内株式・外国株式」という四資産分類は、次のどちらの歴史的経緯から生まれたとお考えでしょうか。どちらか近いほうをお選びください。
① まず、債券と株式に二分割し、次いで、それぞれを国内と外国に分けた。
② まず、国内と外国に二分割し、次いで、それぞれを債券と株式に分けた。
② まず、国内と外国に二分割し、次いで、それぞれを債券と株式に分けた。
Q2 「国内債券・外国債券・国内株式・外国株式」という四資産分類は、次のどちらの理論的順序で行われるべきお考えでしょうか。どちらか近いほうをお選びください。
① まず、債券と株式に二分割し、次いで、それぞれを国内と外国に分ける。
② まず、国内と外国に二分割し、次いで、それぞれを債券と株式に分ける。
② まず、国内と外国に二分割し、次いで、それぞれを債券と株式に分ける。
Q3 仮にオルタナティブというような自由な枠を設けずに、全ての資産を「債券・外国債券・株式・外国株式」という四資産分類に振り分けるとしたら、例えば、国内株式のロングショート戦略は、どう分類されるでしょうか。どちらか近いほうをお選びください。
① 債券代替として、国内債券。
② 株式には違いないので、国内株式。
③ 無回答
② 株式には違いないので、国内株式。
③ 無回答
Q4 同様に、為替をヘッジした外国債券は、どう分類されるでしょうか。どちらか近いほうをお選びください。
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