2013/7/10開催 HC資産運用セミナーvol.067「「バリュー(割安)」運用の真の意味」セミナーレポート

HCセミナー
■動画ダイジェスト



(資料p.7)
 投資の世界では、価値よりも価格が割安なことをバリューといいます。同じ価値であれば安い値段で買ったほうがよいという当たり前のことをいっているわけです。
 このことは2つの基準があるから成り立つわけで、それは市場価格と本源的価値です。パッシブ運用においては、価格は市場価格のみという哲学を採用しています。しかしながら実生活でコンビニと格安店、地域間等々の差異で一物に二価があるということはよくあることではないでしょうか。したがってパッシブではないいわゆるアクティブ運用が成り立つと考える方が自然でしょう。また価格と価値との差が一時的にしか生じないとすれば、年金等の機関投資家にはアクティブ運用を実践することが難しくなりますので、価格と価値のずれが恒常的に存在することが前提となります。アクティブ運用は、この価格のズレはある程度の期間で解消されるという考えを内包しています。
 日本株がバリュートラップに陥るのは、本当の意味でのプロが少なくなり、逆にノイズともいえる個人や外人投資家の影響が増えたことにも原因があります。30%割安で株式を買い、3年以内に実現してきっちり売り抜けるといった運用がよいのではないでしょうか。

(資料p.10)
 価格の変動が需給を自律的に調整する市場であれば安くなると買いが出て、高くなると売りが出るという反対行動による安定が生じますが、銀行の担保価値による与信のような考え方は、下がれば売り、上がれば買うという循環性を増す行動につながります。これがリーマンショック時には特に流動性のある資産に極端に出ました。流動性があるばっかりに、売られてしまったのです。弊社では、この銀行の行動が作り出す非効率は投資機会であるととらえています。

(資料p.11)
 他に有名な非効率では、同業他社の事故の影響というものがあります。例えば先の震災で東電の問題が起こったとき、原子力発電所を持っていない沖縄電力さえも大幅に下落しました。その後、特定企業特有の問題であるという“周知”のカタリストがあり、沖縄電力の株式は東電に先駆けて回復しています。またカタリストがなかなか来ない場合には、カタリストを作るアクティビストも有効ではないかと考えます。

以上

  
 (文責:柳井・佐藤)

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  HCアセットマネジメント運用部:research@hcax.com




■セミナーで実施したアンケートの集計結果

Q1 株式運用において、「バリュー」と「グロース」というような伝統的なスタイルの区分をすることについて、どのように、お考えになりますか。 仮に、運用会社を選ぶ立場(投資家やコンサルタント)に立ったとして、一番近いと思われるものを、一つだけお選びください。

<クリックで拡大>
1.そもそも、一定の既成概念で運用の手法を分類することは、不可能。
2.一定の運用手法の分類は、技術的にあり得ても、適当でない。運用会社に形式的なスタイルの枠に拘泥した運用を強制させる弊害があるのみで、有害。
3.全く自由な運用というのも、問題がある。合理的な分類方法に基づいて運用会社を選択する必要がある以上、不可欠。ただし、本当にリスク分散等の視点で有益かどうかは、わからない。
4.運用会社の選択にとっても不可欠だし、リスク分散等の視点でも有益。
5.その他

Q2 全く同じ質問ですが、仮に、選ばれる運用会社の立場に立ったとして、一番近いと思われるものを、一つだけお選びください。


<クリックで拡大>
1.そもそも、一定の既成概念で運用の手法を分類することは、不可能。
2.一定の運用手法の分類は、技術的にあり得ても、適当でない。運用会社に形式的なスタイルの枠に拘泥した運用を強制させる弊害があるのみで、有害。
3.全く自由な運用というのも、問題がある。合理的な分類方法に基づいて運用会社を選択する必要がある以上、不可欠。ただし、本当にリスク分散等の視点で有益かどうかは、わからない。
4.運用会社の選択にとっても不可欠だし、リスク分散等の視点でも有益。
5.その他






セミナーレポートは以上になります。