20190725 銀行を捨ててこそ捨てられない銀行になれる 金融庁は、6月28日に「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の改正を行い、早期警戒制度の見直しを行いました。また、政府は、6月21日に成長戦略実行計画を閣議決定し、そのなかに、早期警戒制度の発動を前提とするかのように、地方銀行の経営統合に際して独占禁止法の適用除外を可能にする特例法の制定を盛り込みました。さて、いよいよ持続可能性のない地方銀行の淘汰が始まるのか。 金融行政方針
20190718 預金が消滅する近未来社会の構図 個人でも法人でも、誰でもが預金口座をもっています。それは、事業や生活にはお金の使用が不可欠で、使用されたお金は預金を経由して移動するからですが、では、現在の預金に、お金の移動以外の機能が残されているでしょうか。銀行等は、預金取扱金融機関として、預金によって事業の本質を規定されているのですが、実際には、業務の多くは預金がなくとも実行可能ではないでしょうか。さて、金融改革の要諦は、預金のない世界を構想することではないのか。 金融の脱構築
20190711 野村證券が悪さをすると社会がよくなる 金融庁が5月28日に野村證券を行政処分した際には、「コンプライアンスの本質」という概念が使われました。コンプライアンスが単なる法令遵守を意味するのに対して、「コンプライアンスの本質」は法令等の主旨にまで遡る高次の規範意識なのですが、では、法令等の本質的主旨と形式的字句との関係はどうなるのか、どちらが優先されるのか。この行政処分が提起した問題は哲学的に深いようです。 金融行政方針
20190704 老後2000万円問題という喜劇の後味 「公的年金の受給に加えた生活水準を上げるための行動」という万人誰しもが考えることを提唱すると深刻な政治問題になる、老後2000万円問題とは、そういう異常というか、滑稽な事態だったのですが、事実として政治問題化したということは、公的年金のみによって最低生活水準は保障されているとする政府公式見解について、疑義を呈される余地があるということです。さて、老後2000万円問題が提起した真の問題とは何か。 金融行政方針