ディリスク、ディリスキング(De-risk、De-risking)

2016/06/27更新
リスクを小さくすること。「静的な規制」の下ではリスクの顕在化に備えた防御壁の構築を重視しすぎた余りに、金融機関経営において、強固な損失耐性に安住する傾向を生み、金融の積極的な社会的価値創造の機能後退、金融機関の企業価値の喪失、特に上場している金融機関の株式の価値を失わせるという問題を生じさせた。これに対し、「動的な監督」の下では、経営の本質は、リスクの顕在化を想定することではなく、逆に、リスクの顕在化を回避する努力、即ち、ディリスキングの努力にあるとされている。ディリスキングの効果は、顧客の視点では、成長と経営の健全化、金融機関の立場では、当初必要とされた自己資本の額の減少を意味し、まさにこれこそが「顧客との共通価値の創造」を意味する。

関連記事