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資産運用セミナー

vol.31 危機における市場機能



市場型リスク管理では、リスクを市場で随時売買し、自己のポートフォリオの最適性を維持します。ところが、過去の金融危機では、売れるはずの市場で、売れない、という事態が起きました。その背景には、グローバル化による投資家のリスク管理の同質化や、複雑な仕組みの証券発行により資産の本源的価値の評価が困難になって、市場での値付けができなくなったことが挙げられます。市場機能そのものが変動する前提で、市場型リスク管理のあり方を再考し、さらには市場型ではないリスク管理の方法論にも、目を向ける必要があります 。

(文責:仙波)
講   師 :森本 紀行
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テーマをよりご理解いただくために
●本テーマに関連した「森本紀行はこう見る」
改めて、投資の常識への素朴な疑問に答えます」(2010.10.14掲載)
市場理論は、第一に価格は価値を反映して動くということ、第二に不特定多数の市場参加者が、独自の思惑で売買することを前提としています。現在、投資家の運用管理手法の世界的な同質化の傾向があり、第二の前提が成り立ちにくくなっています。しかながら、価値ある資産だけを厳選して保有すること、これが本当の長期運用の意味であり、投資の本質だと論じています。

リクィディティ をめぐる諸問題」(2010.4. 1掲載)
リクィディティは、第一に価値の毀損としてのリスクを回避する目的の売却、第二に価格変動としてのボラティリティに対応する売却、第三に現金の払出しのための売却の意味で必要とされます。ただし、リクィディティのある資産は、その対価分だけ期待リターンが低くなります。逆に言えば、リクィディティを必要としない、もしくはリクィディティが必要ない仕組みが作れれば、割安なものに投資できるということです。

価値の変動と価格の変動」(2009.12.17掲載)
プロに求められるのは、市場価格の変動を価値変化と関係のない単なる振幅としてとらえ、理論価値の変動だけに注目した、長期の視点での運用です。金融危機時の資産担保証券市場は、理論価値自体が棄損したものと、市場要因による価格下落を受けたに過ぎないものとが混在していました。そういった場合に、本源的価値要因と市場要因とを識別できるからこそ、割安なものを拾うことができるのです。

●本テーマに関連した「読んで損しない本」 
マネー資本主義―暴走から崩壊への真相
2007年のサブプライム・ローン危機に端を発した世界金融危機について、その原因と仕組みに迫るシリーズ番組の内容を本に収めたものです。

●本テーマにおいて抑えるべき用語
インカム(Income)
プロシクリカリティ(Procyclicality)  

(文責:仙波)

講師・パネリスト紹介

森本 紀行

HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長

東京大学文学部哲学科卒業。ファンドマネジャーとして三井生命(現大樹生命)の年金資産運用業務を経験したのち、1990年1月ワイアット(現ウィリス・タワーズワトソン)に入社。日本初の事業として、企業年金基金等の機関投資家向け投資コンサルティング事業を立ち上げる。年金資産運用の自由化の中で、新しい投資のアイディアを次々に導入して、業容を拡大する。2002年11月、HCアセットマネジメントを設立、全世界の投資のタレントを発掘して運用委託するという、全く新しいタイプの資産運用事業を始める。

HCアセットマネジメント株式会社

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