三方よし

2017/08/03更新
近江商人の活動理念として有名な言葉。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」即ち、売り手と買い手がともに満足し、社会貢献も出来るのが良いという意味である。金融庁は、顧客との共通価値の創造といっているが、共通価値の創造なので、顧客の利益は、同時に、金融機関の利益であるので、この「三方よし」に譬え用いている。企業価値とは、何よりも、持続可能性のある事業構造に立脚するものである。そして、持続可能性が顧客との共通価値の創造に基づくことは論を待たない。日々変化する環境のなかで、顧客の事情が変化するとき、共通価値の創造が行われるためには、顧客の事情に合わせて金融機関が変化しなくてはならない。そのときに金融機関がなすべきことは、顧客の事情に合わせて、顧客の利益の視点に立ったうえでなされる創意工夫になる。この創意工夫には終わりがなく、常に最善を求めて革新が続けられなくてはならないわけで、その努力の絶えざる積み重ねが金融機関の企業価値の成長をもたらすのである。

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