4/13(火)15:40~16:20
資産運用セミナー

vol.2 資産構成と資本構成

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企業経営とは、環境に応じて資産を稼働させてキャッシュフローを生み出すことです。資産構成の変更は経営でできますが、資本構成の制約を受けます。そうしたとき、増資について株主としてどう考え、どう判断するかといったことがスチュワードシップ活動です。
では、企業経営にとって必要な資産とは何でしょうか。所有と経営の分離はここ30年で進んできていますが、まだ出来ることはあります。携帯電話各社が所有する中継基地局は、かつては競争力につながりましたが、今では技術的な差はなくなりつつあります。共通化して分離すれば、企業にとっては資金調達と経費削減につながり、資本構成の最適化が可能となります。
日本は、現金を保険として持っている経営者が多いものの、米国では、3年以内に使わなければ資金効率の悪さからCEOの不適任判断につながります。日本の市場の厚みが増し、弾力的資金調達が可能となれば、資金効率は高まるでしょう。
企業経営は資産構成がすべてで、資本構成は後からついてくるものです。常時資金調達可能な市場が整備されれば、経営は変わる可能性があります。

(文責:飯塚)
講   師 :森本 紀行
参 加 費 :無料
セミナー資料:https://www.fromhc.com/210413_HCseminar_2.pdf

参加者からのご質問
・自己資本比率は大きいほうが良い会社なのか
・事業拡大から資産スリム化への移行について
・コロナ禍において現金保有がより高まるのではないか

アンケートの集計結果
Q1. バランスシートのスリム化が注目されてきましたが、資金調達の目的の観点から、どこから手をつけるのが良いとお考えですか。
1.    運転資金の減額(売掛債権や在庫の回転率を高めることにより達成できる。ただし、売掛債権の金利水準や適性在庫水準などは考慮する必要がある)。
2.    設備投資資金の減額(アセット・ファイナンスの活用により、固定資産等を減額することができる。ただし、アセット・ファイナンスを活用できるのは、汎用性のあるものに限られる)。
3.    危険準備金の減額(文字通り危険準備目的なので、業績のブレ等慎重に判断する必要がある)。
4.    目的なく、増資や社債発行で調達した資金(当初は明確な目的がなくとも、有効な活用法は考えるべき)。
5.    その他

Q2. 銀行等は短期融資の形態として、約束手形を徴求し、期日が到来するたびに書換継続を無限に繰り返すことを行っています。この取引形態についてどのように考えますか。
1.    経常運転資金のための融資として実行されるのが本旨であり、継続企業としてこの運転資金は無期限に回転し続けるものなので、理にかなっている。
2.    漫然と機械的に書換継続するのは問題だが、利息の支払いや資産状況など厳格な債権管理が行われているのなら、資金移動を伴わずに、短期融資を繰り返すことに問題はない。
3.    運転資金のためとはいえ、恒常化しているなら、資本性が高いと認識できる。本来は短期融資を継続するのではなく、増資等で対応すべきである。
4.    その他

 

テーマをよりご理解いただくために
●本テーマに関連した「森本紀行はこう見る」
企業の資金調達の目的と企業統治論」(2013.5.9掲載)
企業にとって、保有する資産の必要性を徹底的に考え直すことは、自己の事業の競争力の源泉を徹底的に考え直すことと同じで、その最低限の資産を保有するための最適な資本構成を考え直すことは、株主と債権者との間の利害の合理的な調整を実現することになるからです。 こうして最適な資産構成の実現のために最適な資本構成を維持することは、企業統治の基本だという論考です。

仮想通貨による資金調達は可能なのか」(2018.7.26掲載)
仮想通貨で資金調達したら会計処理はどうなるのか」(2018.8.2掲載)
仮想通貨が円やドルと同じ通貨であるならば、仮想通貨建ての株式会社を設立することができるのでしょう。そのとき、株式会社の構造が同じならば、通貨を取り換えても、資金調達手法の革新は起き得ないと考えられます。では、これまでの通貨にはできなかったことが仮想通貨でできるようになるのでしょうか。仮想通貨の可能性について論じられています。

上手に借りる人が上手に運用するのだ」(2020.11.12掲載)
企業経営において、資金調達の費用と、調達資金で取得した資産等を稼働して得られる収益とを比較したとき、後者が大きいことは自明の前提です。これは家計についても同じで、適切なローンの利用は、生活の豊かさを増し、資産の取り崩しを回避させて安定的な資産形成に貢献するはずです。ここでは、負債の適時適切な利用について、企業と家計の側面から論じられています。
家計について取り上げられていることから、問題についてより身近に感じられる論考です。

●本テーマに関連した「読んで損しない本」 
破天荒な経営者たち : 8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功
企業価値の長期的な成長に経営目標を置いた8人の経営者が紹介されています。
この8人に共通しているのは、経営目標を単なる規模拡大におくのではなく、あくまでも一株当たりの企業価値の長期的な成長に置いている事です。また、事業運営は徹底的にその権限の委譲を行い分散化する一方、資本の配分はCEOに徹底的に集中させるという点も共通しています。
正しい資本配分と複利が長期的にもたらす効果についての理解を助ける一冊となるでしょう。

●本テーマにおいて抑えるべき用語
資本構成(キャピタルストラクチャ/Capital Structure)
アセット・ファイナンス(Asset Finance)
アセットライト(Asset Light)

(文責:飯塚)
 

講師・パネリスト紹介

森本 紀行

HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長

東京大学文学部哲学科卒業。ファンドマネジャーとして三井生命(現大樹生命)の年金資産運用業務を経験したのち、1990年1月ワイアット(現ウィリス・タワーズワトソン)に入社。日本初の事業として、企業年金基金等の機関投資家向け投資コンサルティング事業を立ち上げる。年金資産運用の自由化の中で、新しい投資のアイディアを次々に導入して、業容を拡大する。2002年11月、HCアセットマネジメントを設立、全世界の投資のタレントを発掘して運用委託するという、全く新しいタイプの資産運用事業を始める。

HCアセットマネジメント株式会社

TEL 03-6685-0683 
FAX 03-6685-0686