リスクテイク(Risk Taking)
2017/12/14更新金融機関は、顧客との共通価値の創造を目指す限り、積極的にリスクをとらなければならない。そのことをリスクテイク戦略と呼ぶ。このリスクとは、リスクアペタイトフレームワークでいうところの戦略遂行のために意図的にとるリスクのことである。金融機関の使命は積極的に再定義された顧客に対して、顧客の求めるものを提供して共通価値を創造することだとして、そのために、とるべきリスクをとり、とったリスクを適切に管理するために必要資本を含む経営資源の投入を行う。そのような動的な経営のあり方に転換することを求め、金融庁自身にも、それに対応した動的な行政のあり方を求めて、破壊的ともいえる組織改革を断行した。「動的な監督」のもとでは、顧客とともに創造する価値、即ち、事業目的の確認から始めてその実現のためのリスクのとり方や、とったリスクに見合う経営資源等の動的な投入のあり方などについて、建設的な対話が金融機関となされていくのである。
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