アセットライト(Asset Light)

2017/11/02更新
アセットライトは、asset light で、資産を軽くすること、即ち資産保有を必要最小限にすることである。
コーポレートガバナンス改革が徹底していけば、不要不急の資産の売却は促され、その分、外部金融機能の利用は削減され、経営は効率化されるが、アセットライトは、不要不急の資産はおろか、事業に欠くことのできない資産すら極力保有しないようにする経営戦略である。
例えば航空会社が飛行機を保有せず、オペレーティングリースを利用すること。資産の劣化や陳皮化のリスクをリース会社に移転でき、さらにレンタルにすれば資産の稼働率のリスクもレンタル会社に移転でき、その分実質的な金融費用は増加するが、費用とリスクの最適化が図れるのである。
もう一つの代表例は、不動産保有の最小化である。ホテル産業におけるホテルの建物等、物流業における倉庫等、電気事業における発送電施設等、これらの不動産を外部化することで、企業の資金調達需要は縮小し、一方、外部化された不動産等は、それ自体として投資対象に構成されて、そこに新たな金融の機会を創造するわけである。
こうして金融の構造を変えることは、量的には、拡大より縮小に帰結する可能性が大きいが、同時に、質的な高度化により収益性を高める可能性も大きい。この質的成長こそ、日本の金融機関に課せられた課題なのである。

事例:2021年3月 西武ホールディングス「アセットライトな事業構造へ転換」

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